こんにちは。あずき (@azucky824 )です。
前回、昨年不合格となった実習でどんなことがあったのか、結構凄惨な仕打ちされたんですよ、的なお話をさせて頂きました。結構長い話だったのですが、読んでくださる方は以下をどうぞ。
まぁそんなわけで、今年また2回実習に行く必要あり、ちょうど先週いっぱいまで1回目の実習に行ってきました。
結果として、今回は合格。評価としては「優」の次に良い「良」でした。まずはきちんと実習が終わってホッとしている、というのが1つ。
そして、もう1つ、今回の実習では僕自身の価値を「作ってもらった」と感じました。
また長文になりそうですが、お付き合い頂ければ幸いです。
3回目の臨床実習
実習に臨む気持ち
ほとんどの理学療法士になった方々は臨床実習は2回で終わっています。よく、「実習はキツイ」「もう二度とやりたくない」と資格をとった人たちが言うほど色々と消耗する臨床実習。
ただ、その一方で「一番成長したのは実習の時だったな」って言う人も結構います。
それなら、僕はただ漫然と、前回の文句を垂れ流し続けながら過ごすよりは、きちんと気持ちを切り替えて、とことんやってやろう!そう思いました。
そして、前回の悔しさやむなしさやそういった負の感情を糧にして、「自分を認めさせる」「患者さんにも絶対にプラスになるようにする」というのを強く意識しながら過ごしました。
襲い来るトラウマ
実習直前になると、毎日前の実習での出来事の夢を見るようになります。
周りに誰も味方が居ない。自分の声はどんどん小さくなっていって、だれも僕の話をまともに聞いてくれない、毎日気持ち悪くて、それでも幸か不幸か、心は全然折れてくれない。
そんな日々を毎夜反芻していきます。
成績表を書いてもらえなかったことによって、「自分の何が悪いのか具体的にわからない」「今後どうすればいいのか分からない」
そんな宙ぶらりんなまま、出来ることをやるしかない。それ以外に僕の選択肢はありませんでした。
実習前日〜当日は食事もノドを通らず、どうにか野菜ジュースだけオエオエしながら胃に詰めていたような状態です。
当日、病院が近づくと震える手。心臓は静かに、でも確実に速く強く脈を打ちます。そのドクドクという音と冷や汗だけが感じるものの全て、といった感覚。
とにかく大きく声を出そう。怖いけど目の前の一歩だけでも前に進もう。顔を上げて、なんでもない風な表情をとりつくろう。営業マン時代を思い出せ!・・・そんな風にリハビリ室までの廊下を頭の中ぐるぐるしながら歩いたことを実習が終わった今でも鮮明に覚えています。
実習先は呼吸器リハビリの有名な病院だった
今回の実習先は「呼吸器リハビリテーション」という比較的マイナーなジャンルですが、その道ではとても有名な病院でした。
ご高名な先生がいらっしゃったり、全国からその人を頼りに患者さんが来たり、理学療法士さんも全員なんらかの研究テーマをもって論文を書いているというほど熱心な方々でした。
バイザーの先生はとても熱心に指導してくださり、呼吸器の疾患の概要や、身体の見方などを教えて下さる傍ら、ご自身の研究にも一切手を抜かずに取り組んでらっしゃるような方でしたし、周りの理学療法士さん・リハビリ助手の方々・医者の方々も実習生に気さくに話をして下さるような、やわらかい雰囲気のある病院だったわけです。
呼吸器リハビリという世界は学校ではほんのちょっぴり触れる程度で終わってしまう分野であり、知らないこともたくさんありましたが、自分で勉強したらした分だけ、バイザーの先生をはじめとしたスタッフの皆さんが、返してくれるものがあります。
「その文献読んだなら、こっちも読むと面白いよ」だとか「あのテスト方法の値って、今はこんなことがいわれてるんだよ」とか、前回の反動もあるのでしょうが、とても楽しく、あっという間に8週間が終わってしまった印象があります。
実習生に対する姿勢が前回と違いすぎた
今回の病院は実習生に対して、とても親切で飲み会もあったんですが、その時にご高名な先生含めほぼ全員がおっしゃっていた「指導の哲学」みたいなものが前回の実習を過ごした僕にとって、泣くほど嬉しかったです。
バイザーに実習生の人生を変える権利はない
まずおっしゃっていたのは、「バイザーには実習生の人生を変える権利はない」、ということ。
バイザーはあくまで「指導者」であり合否を判断する「試験官」ではないので、実習を落とした時にもう一年学校に通わせることで起こる学生の不利益や、とくに社会人学生に対しての一年の重みを忘れてはいけないと、そうおっしゃっていました。
学生が出来ないのはバイザーの責任
また、学生の知識や技術のレベルは個人差も、学校によっても生じる上に、そういった要素は学校が判断することであってバイザーが判断することではないということ。
そして、なにを指導するのかというと、患者さんに対する姿勢や、分からなかったことを次の日に調べてくるなどの向上心、一般社会人としての常識といった、「学校で教えられないこと」を伝えるのが役割ということ。
自分の価値を作ってもらった
冒頭でも書いたように、今回僕は「自分の価値を作ってもらった」と感じました。そう感じた言葉をたくさん投げかけて頂いたので、そのあたりの話を書いていきたいと思います。
社会人を経験したことで尊敬できる人間になってるよ
患者さんと話している時の言葉遣いや姿勢はとても褒められました。雑談の話題も抱負で患者さんも楽しんでいたとも。
そういった中で「一人の人間として、社会人として尊敬できる」と言われたのはとてもうれしかったです。
患者さんを担当する、ということをきちんと理解している
前回の実習では、途中で担当患者さんを投げ出す形になってしまって、「私のせいで不合格になるの?」と泣かせてしまったことを、心から申し訳なく思っています。なので今回は患者さんに対して、全力を注ごうと考えました。
自分なりに出来ることを、得意なことを全面に押し出しながら戦おうと決めていて、パソコンが得意なので指導する内容を紙芝居形式にしたり、病室でやってもらうストレッチを写真で説明したり、これは上手く行きませんでしたが、歩き方もパソコンで解析したりしてみました。
結局、僕自身の力不足もあって良くなったことも、変わらなかったこともあったけれど、退院される時は担当した患者さんみなさんから別れを惜しんでもらえて、少なくとも良い関係は築けたと思っています。
そういったことを全部見てくださって、「患者さんに一生懸命さは伝わったと思いますよ。あずきさんは”患者さんを担当する”ということをきちんと理解できていますね」とお褒めの言葉を頂きました。
学生として、じゃなくて新人理学療法士として評価した
最後の評価の日、僕に渡された評価表には手書きでびっちりと、よかったこと・もう少し頑張ってほしいことが書いてありました。
それを受け取ったとき軽く泣きそうになりましたが、評価は2番めに良い「良」だったんですよね。
前回が前回だっただけに、僕は自分自身を評価に値する人間だったのだ、おかしいのは前回の実習地の人たちだったのだと証明したかった。そのために、一番良い評価が欲しかった、というのが正直なところで少し落胆したんですね。
そしたらバイザーから「この”良”の評価は、実習に来た学生としてではなくて、新しく就職した理学療法士の後輩としての評価です。」と言われたんです。
最初何を言っているのかわからなかったんですが、「学生として理学療法の資質は十二分にあると感じました。」「なので新人の理学療法士として今すぐ働いても充分通用するレベルだと私は評価しました」とまでありがたい言葉を頂きました。
もちろん、まだまだ足りないところはある、と1時間以上もかけて「今後こうしていったらもっと良くなる」という話をして下さいました。
その一言一言が、あまりに優しくて、あまりに情熱に溢れていて、「ああ、僕は将来この人のようなバイザーになろう」と固く心に誓いました。
課題はたくさんある
こうして僕の3回目の実習はとても有意義だったわけですが、再来週からすぐ次の実習が8週間始まります。
今回頂いた課題としては、大きなので以下のものがありました。
- ベッドサイドのリハビリでは可動式ベッドを活かして行う
- 看護師・医者とも積極的にコミュニケーションをとってリハビリの時間以外の患者の生活を把握・コントロールする。
- 血液検査以外でも栄養状態の評価も行う
きちんと心に刻んで頑張って行きたいと思います。あと、「実習だからバイザーの言っていることは絶対と思わなくていい、間違っていると思えばどんどん声を上げるようにしよう。そうすれば他のスタッフも巻き込んで正当な評価をしてもらえるはず」とも言われました。
前回はどんな状況になっているか、病院の上司の人は分かっていなかったと思うんですよね。じゃなければ「実習は終わりだけど勉強になるからもう一週間やろうか」なんてサイコパスな発言しないと思うとも。
守りに入らずに、まっすぐな気持ちを持って理学療法士の資格取得まで邁進していこうと思います。
それでは、あずき (@azucky824 )でしたー。