[αź]理学療法士がどうやって人を治すのかをざっくり説明するよ。 #毎日更新レース

Pt thrapy

おはようございます。理学療法士の卵のあずき (@azucky824です。

「理学療法士」という職業の知名度が低い、という経験からちょっと解説してみようと思い立ち、昨日記事を書かせて頂きました。

今日はもうちょい詳しく、治療についてお話をさせていただきます

治療の流れ

まずおおまかな治療の流れを書いてみます。

  1. ドクターの診断→リハビリの処方
  2. 医療面接 (問診)
  3. 各種評価
  4. 原因を考察
  5. 治療プログラム立案
  6. 実施
  7. 経過をみて調整
  8. 予防プログラムの実施

ざっくり書くとこんな感じですね。それじゃあ一つずつ解説していきます。

ドクターからリハビリの処方がだされる

制度上、理学療法士は独立することができません。その大きな理由がこの、「医者からの処方が必要」というところにあります。

なので、同じ怪我・同じ症状でも、病院によってリハビリをしたりしなかったりします。

この処方の内容は、かなりざっくりで「転倒予防お願いします」とか「痛みに対するリハビリをお願いします」みたいな感じなので、実際にどうやっていくかは理学療法士が考えていくことになります。

医療面接から情報収集

治療にあたり、ドクターから怪我をした状況や、レントゲン所見等が回ってきますが、治療するにはまだまだ情報は不足しています

具体的にどの組織が痛みの原因なのか、それはほかの部位の影響ででているのか、そのあたりを確認していきます。

また、入院されている患者さんなら、入院前の生活がどの程度のレベルで、退院後はどうしたいか、そしてそれが可能なのか判断しなくてはなりません。

ここでは、「それお医者さんに話しましたよ?」と言われることも多いんですが、必要なことなので是非協力していただけるとありがたいです。

評価する

怪我をしたときの状況や、痛みの状況を伺ったら、より具体的かつ、客観的な状態をみていきます。ここを「評価 (アセスメント)」といいます。

ここでは、関節の動き (可動域)や筋力、認知症の検査など、本当に様々な検査手技を駆使して情報を集めます。

学生の実習ではここにかなり時間をかけるのですが、現場ではそうはいきません。なるべく最短距離で必要な情報を得られるように工夫が必要になります。

そのため、評価の仕方としては、必要そうな項目をかたっぱしから漏れなく評価する「ボトムアップ式」と、姿勢や動作から足りない能力のアタリをつけて評価する項目をきめる「トップダウン式」の二つがありますが、現場では (最終学年の実習でも)トップダウン式が求められます

このアタリの付け方は、疾患に対する知識と経験、そしてセンスが問われますので、有資格者でもかなり意見の相違がみられます。

原因を考察する

それぞれのやり方で患者さんの状態を評価した後、「じゃあ今起きている痛みや、動作不良ってなんでおきているのか?」という問題に対して、ある程度の答えを導きます。で、その原因がひとつだけじゃないケースがほとんどなので、その優先度も考えていきます。

例えば、「歩く時によくつまづいてしまう」という方に対して、浮いている方の足のつま先が上がっていないとなれば、足首の可動域低下・筋力低下を考えるのがシンプルですが、股関節の曲がりが悪くて、相対的につま先が下がることもありますし、そもそも歩行中のこのタイミングでつま先を上げるっていう普通は無意識でできていることが、脳の障害でできていないケースもあります。

それらを評価で確かめながら、どこを先に治すべきかを考えるわけです。

治療プログラムを立案→実施

ここにきてようやく、治療に入っていきます。

これまでの段階で、治療すべき「部位」と「能力」の予測を立てました。そこに対して具体的に、

可動域を広げるならストレッチにするか、マッサージにするか。それを何秒間やるか?何回やるか?

筋力なら何キロの負荷で、何回を何セットやるのか?そのセットの間のインターバルは何秒?

…みたいに、細かい内容 (これでも無茶苦茶ざっくり。ほんとはもっと具体的になる)を決めていきます。

経過をみながら調整

理学療法士も神様ではないので、治療がうまくハマらないこともあります。

そういう場合、前述した細かい回数や時間を調整したり、そもそものやり方や、優先順位を変えたりします。

また、一つよくなったことで、それまで隠れていた新たな問題点が見つかることも、とてもよくあります (実習生泣かせ)。

リハビリではほぼ毎回マイナーチェンジをしながら、その時その時の状態に合わせてプログラムを立て直していくわけです。

再受傷をしないための予防策をつくる

リハビリにおいてとても重要なのが、「予防する」ということです。

ただ直すだけならただの対症療法であって、そんなもの、痛みなら薬飲み続けるだけで十分です。

もう同じ怪我をしないために、動作を改善したり、他の関節の動きを正したりもしていきます。

これが特にスポーツ分野では、怪我をする前よりも能力を戻さないと「復帰」とは言えないんですよ。怪我をしたことができるかぎりマイナスにならないようにしたいし、なんならプラスにさせてあげる事が最高だと思います。

そのへんは、以前スポーツリハビリの世界に飛び込んだときに感じたことで記事を書いていますので、よければ読んでいただければと思います。

まとめ

昨日に引き続き「理学療法士とは」みたいなことを書かせて頂きました。

細かく書きすぎると伝わらないし、ざっくり書きすぎても伝わらないし、誰かに何かを説明するのは難しいですね (汗)

理学療法士は学生レベルでもこれだけのことを考えてやってます。実は捻挫や五十肩も病院によってはリハビリの適応になるので、ひとりで悩むくらいなら是非お近くのリハビリやっている病院に行ってみてください。

きっとそこの理学療法士はあなたの力にはなってくれると思いますよ。

それでは、あずき (@azucky824でしたー。

この記事を書いた人

azucky824

1987年生まれ ゆとり第一世代。実家は千葉で代々漁師の家系。
大学で上京し、住宅営業マンを経て現在は理学療法士を目指して専門学校生。
好きなものを語る場としてこのブログを管理・運営してます。