こんにちは。都内で医療職(見習い)をしています、あずき (@azucky824 )です。
みなさんは今まで、誰かが突然倒れるなんていう経験はしたことがありますか?おそらくそんなものないって方が圧倒的に多いと思います。
僕も、理学療法士の養成校にかよっているので授業ではやっていたのですが、まさか自分がそんな状況になるなんてことは想像すらしていませんでした。それが先日、家への帰り道でバイクと自動車の交通事故に遭遇し、対応せざるとえない状況になったんです。
幸い、当事者全員命に別状はなかったのですが、ここで改めてまとめておきたいと思いました。
ものすごく大事な一次救命措置
今、救急車って通報から到着までどのくらいの時間がかかるか知っていますか?
△消防庁が発表している消防白書による平成25年のデータで、平均で8〜9分くらいかかるという数字が出ています。平均でこれなので、場所によってはかなりかかってしまうということです。
(ちなみにこれ、平成19年のデータでは、6分程度だと言われていました。それが今や9分。これは道路や住宅の状況の影響なのでしょうが、今後これ以上増えてくる可能性が充分にあると思います。)
その9分の間で人間の救命率がどのくらいあがるんでしょうか?
△この図(出典元)は心肺停止からの経過時間でみた蘇生率です。完全に右肩下がりなのが一目でわかるかと思います。ここで注目して欲しいのが、表の最後が9分になっているという事実。
つまり「9分間ほったらかしていたら助かる確率はほぼ0%」だということです。
今日は、このことだけでも知っておいていただきたいと思います。この、救急車が到着するまでの時間にできることを「一次救命措置」といって、みなさんもよく知っている、「心臓マッサージ」+「人工呼吸」をメインとした蘇生法です。今日はざっくりとではありますが、しっかりとポイントを抑えながらまとめていきます。
①まずは安全を確保しよう!
まず最初に気をつけていただきたいのは「現場の安全」です。特に交通事故などでは後続の車が来ることもあるため、安全性の確保は絶対条件です。
ここで覚えて欲しいのは、みっつの視点があるということ。
- 自分自身の安全
- 要救助者の安全
- その他周囲の人の安全
交通事故を例に挙げれば、左右確認をしてから道路に出ること。倒れている人が安全になるように、発煙筒などでほかの車にも知らせること。この時に、アタマを打っている可能性があれば、あまり動かさないほうがベターかと思います。最後に、余裕があれば交通整理などを行って、後続の車の安全も確保していければベストです。
②声掛けしてみる
突然の出来事で、自分自身も大変混乱していると思います。近寄ったらまずは落ち着いて、声掛けをしてみて反応があるかどうか確認しましょう。
声で反応がなければ、肩を叩いてみたりして反応を見ます。
ここで反応がなければ「意識がない」と判断してしまいましょう。もし反応があれば状況を見て、ケガをしていて救急車が必要なようであれば通報します。
③応援を呼ぼう
意識がないことがわかったら、次は応援を呼びましょう。近くに人がいれば手伝ってもらいます。
お願いしたいのは以下の点について。
- 救急車を呼ぶこと
- AEDを持ってくること
- とにかく手伝ってもらうこと
ここで、よく言われるのが「誰かこれやって」というのではなくて「そこのあなた!」と指名することだと言われています。さらに、心臓マッサージって実はかなりハードなので、人手がいるにこしたことはありません。邪魔にならない程度に他の人も巻き込んで救助活動を展開しましょう。
④呼吸はしてる?
意識の確認の次は「呼吸の確認」もしておきましょう。
ただ、ここであまり時間をとりたくないので、胸の上がり・下がりがあるかどうかで判断します。せいぜい10秒くらいにしておきたいですね。
⑤さぁ心臓マッサージだ!!
意識がなくて、呼吸も確認できなければ「心配停止状態」と判断されます。これは前述したとおり9分放置してしますと確実に死に近づく状態です。
以下のサイトに詳しくまとまっていたので、ここでは引用してご紹介していきます。↓
1. 心臓マッサージを行う人は、倒れている人のわきに座ります。
2. 心臓の位置を探します。
人差し指と中指で、一番下の肋骨を探し、そこから胸骨へ向かって指を移動させます。 人さし指が胸骨に触れたら、 その位置が圧迫する部位です。ここにもう片方の手の付け根を置き、その上にもう一方の手を重ねます。
3. 重ねた手の指先が、肋骨に当たらないように両手の指を上方に反らせます。 大人の心臓マッサージ
4. 心臓を真上から圧迫します。両腕は、肘を曲げないようにまっすぐにのばし、上半身の体重を利用して圧迫します。
5. 1分間に80~100回の速さでリズミカルに圧迫します。
6. 脈拍が回復し、頚動脈(けいどうみゃく:首の血管)で脈が感じられるだけでなく、橈骨動脈(とうこつどうみゃく:手首の血管)でしっかりとした脈拍を50回/分以上感じられるときは心臓マッサージを中止します。
心臓マッサージはちょっとむずかしいイメージがありますが、簡単にいえば、身体の真ん中(胸骨あたり)をおもいっきり体重かけて押しましょう!くらいの意識でいいと思います。
⑥人工呼吸を間に入れよう
心臓マッサージを30回やったら、2回人工呼吸を入れるようにしましょう。
30対2の割合です。
気をつけて欲しいのは、入れる空気の量。倒れている人の胸のあがりが見える程度だと言われています。あとは、ゆっくり空気を入れることも大事だといわれています。約一秒かけていれましょう。
人工呼吸が終わったら、すぐさま心臓マッサージに戻ります。
血液や嘔吐物などにより感染危険がある場合、または人工呼吸自体に抵抗がある場合は、無理にする必要はないそうです。
その場合は心臓マッサージだけひたすらつづけましょう。
大事なことは、とにかく続けること。疲れたら他の人と交代するなどして、絶対に中断しないようにしましょう。
⑦AEDを起動・装着しよう
③でお願いしたAEDが到着したら、すぐに使い始めましょう。
でも、そもそもAEDってなんなんでしょうか?
AEDってなに?
△AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
2004年7月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所、救急車はもちろんのこと、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業等人が多く集まるところを中心に設置されています。
AEDは、操作方法を音声でガイドしてくれるため、簡単に使用することができます。(引用:AEDライフ)
簡単にいえば、音声案内がついてて、すごく簡単かつ安全に電気ショックが出来るツールです。
起動・装着
大体の機種は「蓋をあけるだけ」で電源が入るそうです。その他の機種でも、比較的大きなボタンで電源が分かるかと思います。
音声案内にしたがって、電極パッドをつけていきましょう。
△部位で言えば、「右前胸部」と「左側胸部」と言われています。写真をなんとなくアタマに入れておけば大丈夫かと思います。
△大前提として、素肌に貼らなくてはならないので、服を脱がす・切る必要がありますが、まだまだそこまでご存知の方が少ないのが現状。こういったことも世の中では起きているようです。正しい知識を身につけましょう。
⑧電気ショックをかけよう
装着したら、自動的に心電図の解析が行われます。当然ですが、その間心臓マッサージはとめててOKです。
解析終了後、電気ショックの開始スイッチを押すように指示がでます。
大事なのはこの2点!
- 傷病者から離れるように周りに指示を出す。
- 自分も含め、だれも傷病者に触れていないことを確認する。
ここが確認できたら、電気ショックスイッチを押しましょう。
その後、すぐに心臓マッサージ・人工呼吸を再開しましょう。
しばらくすると、また音声で指示が出て、心電図解析がはいります。そこでまだ必要であれば電気ショックの指示もでますので、その繰り返しで命をつないでいきます。
△ここまでの内容が動画でもありますので、ひととおり読みながらご覧になって下さい。
⑨救命チームに引き継ぐ。
救急車が到着したら、プロの方々に引き継ぎましょう。
いくつか聞かれることがあるかもしれませんが、協力をして頂ければと思います。
⑩想像以上に疲れるのでゆっくり休もう!
最後は、しっかりと休むことをおすすめします。
心臓マッサージは30回やるだけでも、かなり筋力的な疲労が出ると言われています。火事場の馬鹿力があるとしても、相当な運動量になると思います。
しっかりと休んで、頑張った自分を褒めてあげて下さい。
【まとめ】どんな人にも知ってて欲しいスキル
今回、僕が体験したバイク事故ですが、僕が行くまでは当人以外は外で遠巻きに見ているだけ、という状況でした。今回は命に関わる事故ではなかったので良かったですが、一人ひとりが野次馬ではなく、「救助者」としてそういったものに介入していく勇気を持ってほしいなと強く強く感じました。
やるべきなことは、たった10個。ざっくりとでも、あいまいでもいいです。やらないよりはずっといいです。
皆さんの行動へちょっとでも力になれたら嬉しいです。それではこのへんで!あずき (@azucky824 )でしたー。