リハビリテーション病院のコロナウィルス関連の喧騒について。

Covid

こんばんは。あずき (@azucky824です。

ちまたではコロナウィルスが猛威を奮って、国が緊急事態宣言をするほどの脅威となっています。

医療に携わる者として、医療現場がどんな状況なのか少しお話をしてみようと思います。

まず僕の勤め先がどんなところか

最初に前提として入れておきたいのは、僕の病院はいわゆる「リハビリテーション病院」というところで、コロナウィルスに感染された患者を積極的に受け入れて、治療するっていう場所ではない、ということは申し上げておきます。

また、僕の職業も「理学療法士」というもので、それこそ感染された方に対して治療にあたる前線にいるわけではないということも。

ただ、「集団感染少なくとも55人 患者や職員ら 大阪のリハビリ病院」なんていうニュースもあるとおり、入院患者を抱えている上、職員が外から来ている以上、決して対岸の火ではない状況といえるでしょう。

また、リハ病院とはいいますが、内科受診もしていることと、夕方から発熱外来も開いており、PCR検査も実施できる体制になっていること、すでに病院側から発表されているだけで2件の検査を実施しいずれも陰性だった、という、少なくとも「コロナ感染疑い」レベルの人は来るようになってきたということはいえそうです。

感染対策はどうか

上記を踏まえてお話を読んで頂きたいのですが、まずは僕たちの感染対策はどうなっているのか、という点。

マスク・アルコールの絶望的な不足

世間でも騒がれていますが、医療現場のマスク不足は深刻で、配布はされているものの、リハスタッフは一週間に1枚、ナースも2〜3日に1枚で、マスクの周りにガーゼを巻いたり、洗濯・洗浄して使いまわしをしています。

もちろん、感染症(コロナ以外も含む)の患者に当たる場合はマスク・手袋・ガウン必須で即使い捨て、は以前と変わらず使えているので、病院としては入ってくる分を少しストックしているような状態のようです。

また、アルコールについても不足していて、普段、僕たち理学療法士は患者の身体に直接触ることが多いので腰にアルコールボトルをぶら下げてかなりこまめに消毒しています。

それが現在はボトル自体はなくなっているほどではないものの、基本的には手洗いを推奨されていて、急ぎのときでなければアルコールの使用は控えてほしいとアナウンスされています。

アルコール消毒は、揮発する分とても拭き取りが楽なんですが、ベッドやまくらなどの消毒は現在次亜塩素酸(ハイター水)を使用しているため、拭き取りの手間が増え、換気の手間が増え、手袋の手間が増え・・・。と、ひとつひとつはなんていうこともありませんが、訓練機器・器具が無数にあるためすべてをしっかり拭き取るとなると、こういった小さいものの積み重ねが大きな負担になります。

この掃除だけでも大体30〜40分程度勤務時間が長くなっています。

熱が出たら即休み

職員の感染については、毎朝検温をして熱があれば即休ませるような体制になっています。37.5℃以上の熱だと問答無用で解熱後2日間は休むことになります。

休校によるママさん達が抜けた穴が埋まらない

更に良くないのが、休校になったことでママさん達が勤務できなくなり、発熱のお休みの人と合わせてかなり人員が圧迫されています。

それでいて、入院してくる患者が減っているわけではないので、一人あたりの仕事量が抜群に増えています。

掃除と、諸々の作業で1時間くらい残業が増えた日が多いですね。

面会禁止になった

うちの病院はわりと対応が遅かったのですがいまはだいたいどこの病院も面会禁止という措置をとっていると思います。

回復期のリハ病院は入院期間が概ね2ヶ月〜5ヶ月と長いので、「家に帰れていない」「家族と過ごせていない」人が多いんですね。そのため「寂しい」と感じている方が多く、特に認知症の方はかなり精神面でやられている人が増えたなという印象です。

それでもリハビリはやるべきか

こんな状況で、命に直接関わる仕事じゃないのにやる必要があるのか。リハビリってやるべきなの?って疑問もあります。

クリニックとかで’外来のリハビリだとそこまでの必要性はないって言える患者さんも多いかもしれないですが、それ以外のリハビリは時間との勝負という側面もあります。

例えば、脳血管障害や脊髄損傷。こういった疾患はゴールデンタイムと呼ばれる、機能回復しやすい時期というものがあります。おおむね3ヶ月と言われる事が多いのですが、ここを逃すとグンと獲得できる能力が少なくなります。

例えば、高齢者のリハビリ。ただでさえ動かない人が多い高齢者。最近ではフレイルなど虚弱高齢者っていう言葉があるほど。リハビリをやらない期間ができると一気に筋力が落ちます。落ちた筋力を戻すのは本当に今季が必要でしんどい作業です。

とどのつまり、僕たち理学療法士が感染リスク抱えながらも現場に出て働く意義はあるとぼくは思っているし、その代わりに患者さんの体調管理や、自分からうつすことのないように慎重になる必要があると強く強く感じています。

しばらく医療従事者は体力的にも精神的にもしんどい日々が続きますが、頑張っていきたいと思うし、コロナ最前線にいる方々には是非なんらかの支援をしてあげてほしいと思っています。

なんだか長々と書いてしまいましたが、どなたかの目にとまり、少し行動が変われば幸いです。

この記事を書いた人

azucky824

1987年生まれ ゆとり第一世代。実家は千葉で代々漁師の家系。
大学で上京し、住宅営業マンを経て現在は理学療法士を目指して専門学校生。
好きなものを語る場としてこのブログを管理・運営してます。